カズノコにはニシンが生育するために必要な栄養成分が凝縮され、水分を除く82%がたんぱく質、14%が脂質からなっています。
脂質の72%がリン脂質(※1)で、その多くをホスファチジルコリン(PC)が占めます。
※1/リン脂質:細胞膜などの構成材料となる脂質
カナディアン・パシフィック・カズノコ協会資料より(http://www.kazunoko.org)
カズノコはEPA、DHAを豊富に含み、脂質全体に占めるEPA・DHAの比率はマグロのトロを上回ります。カズノコのEPA・DHAはリン脂質、特にPCに多く含まれ、安定しているのが特長です。
EPA、DHAはどちらも、人の体内では作ることができない栄養素です。
高脂血症や動脈硬化の予防効果、アレルギー体質の改善、精神を安定させる効果などがあると言われています。
「抗肥満効果」「血糖値改善」「血中脂質改善」「記憶学習能力向上」に期待できます。
EPA、DHAは肝臓における脂肪の分解促進と合成阻害等の作用により、肥満の予防や改善に役立つことが知られています。
EPA、DHAの含有率の高さに加え、EPA、DHAの形態の差、さらにはたんぱく質との相乗効果が、カズノコのすぐれた抗肥満効果をもたらすことが明らかにされています。
EPA、DHAには内臓脂肪の蓄積を防ぐ効果が認められていることから、糖代謝にもいい影響があるものと推測されます。
カズノコ粉末を摂取させた実験で、実際、血糖値の改善効果が確認されています。
EPA、DHAには、肝臓でのコレステロールの合成を抑える一方、分解を促進する作用があることが知られ、食生活にとり入れることで高脂血症の予防や改善が期待されます。
EPA、DHAを豊富に含むカズノコ油には、実際、血中脂質改善が認められています。
社会の高齢化に伴い、認知症の予防が重要な課題となっています。
DHAやホスファチジルコリン(PC)には、脳機能の改善効果が示唆され、これを豊富に含むカズノコ油の投与実験で記憶学習能力の向上が確かめられています。
カズノコにはプリン体が多いと思われがちですが、実はプリン体が極めて少ない食品です。お正月によく食べる中サイズのカズノコ1本は約20g。2本食べても、プリン体は8.8mgにしかなりません。
一般的な魚卵には多くのプリン体が含まれているようなイメージがありますが、タラコには100g中120.7mg含まれており、明太子には159.3mgと多めですが、カズノコは100g中21.9mg、スジコは15.7mgと、同じ魚卵でも、組成や成分が全く違います。
表は、日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改定委員会が2010年1月に編集・監修した『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』から抜粋したものです。
痛風になるかもしれないというイメージがあって、怖くて食べられなかったカズノコですが、これからは、カズノコの栄養的な良さを理解していただきながら、美味しく頂けます。
ほとんどの食品に含まれており、肝臓で代謝され、最終的に尿酸となって体外に排出されます。
体内に尿酸が多くなりすぎると血液中に溜まり、高尿酸血症やいわゆる痛風を引き起こしたり、腎臓や尿路に沈着して腎臓障害や尿酸結石を起こすこともあります。
カズノコ油には、100g中にCo(コエンザイム)Q10が10.0mg、ルティンが0.64mg含まれています。
CoQ10はビタミンEとともに脂質に溶け、細胞を酸化から守っているビタミン様物質です。植物油や魚などが効率のよい補給源ですが、カズノコ油はこれらに劣らない量を含みます。
一方、ルティンは色素成分であるカロテノイドの一種で、体内では網膜や水晶体に多く存在し、紫外線などの刺激で発生する活性酸素の障害作用から目を保護してくれます。
学名「ユビキノン」と呼ばれるビタミン様物質で、心筋梗塞や心不全、狭心症、糖尿病、高血圧などの改善および予防に効果があるとされるほか、抗酸化作用を持つことから、生活習慣病の予防、脂肪燃焼、ダイエットなどの効果も期待できると言われています。
野菜や海藻などの食品に含まれ、抗酸化作用を持ちます。目の健康を保つ働きに期待されています。
カズノコのたんぱく質のアミノ酸組成を見ると、肉類や牛乳・乳製品と同等の栄養価をもち、和食の欠点とされる米のたんぱく質のリジンの不足を補うことができます。
また、ペプチド(※)にもさまざまな機能性が期待できます。
※/ペプチド:たんぱく質の消化分解物
人の体を構成する組織の基になる成分。人の体内で合成することができるアミノ酸、合成できないアミノ酸に分かれ、体内で合成できず体外から摂取する必要がある20種を「必須アミノ酸」といいます。
体内組織の基になる成分ですから、生命活動に不可欠な成分と言うことができます。
カズノコのコレステロールは魚卵のなかでは少ないほうで、イクラの約半分です。
人の体の中で細胞膜をつくるために必要な要素です。
悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールが過多になりすぎると血管壁にくっつき、そのまま放置していると動脈硬化が引き起こされ、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞の原因になるとされています。